プロジェクトデータベースは、4D v18リリースのヘッドラインで、チームがコラボレートして作業できるように、アプリケーションのコードをソース管理システムの中に保存することができます。そのテキストファイルの中には、フォーム、メニュー、ユーザー設定、あらゆる必要なリソースを含めて、データベース・ストラクチャからユーザー・インターフェイスまであります。そして、プロジェクトデータベースはテキストベースのファイルでできているため、いくつかのフォルダとファイルを一つの親データベース・フォルダの中に保存します。このブログでは、プロジェクトデータベースのアーキテクチャを見ていくことで、新しいタイプのデータベースをよりよく理解しましょう。
プロジェクトデータベースは、一つの親データベース・フォルダの中に保存された、いくつかのフォルダとファイルで構成されています。
プロジェクトデータベースを作成する時、ほとんどのフォルダが同じ伝統的なバイナリーデータベースであることに気づくでしょう:
プロジェクトデータベースの中にフォルダとファイルがあることが分かりましたが、どのフォルダとファイルをソース管理システムにアップロードすべきでしょうか?おそらく、ResourceとProjectフォルダと考えるでしょう。では、データベースをコンパイルするときに、4Dは”Project/DerivedData”フォルダにコンパイルしたコードを保存します。従いまして、”Resources”フォルダ、”WebFolder”、”Project”フォルダ(サブフォルダの”DerivedData”は不要)をソース管理システムにアップロードすることをお勧めします。
このビデオでは、バイナリーデータベース(.4DB)とプロジェクトデータベース (.4DProject)のアーキテクチャを比較します。
例えば、自分のバイナリーデータベースを開くには、”.4db”あるいは”.4dc”拡張子のファイルを選択します。project データベースで同等のものは何でしょう?それは”.4DProject”拡張子のファイルです。
コンパイルされたデータベースに対して、”.4DC”に代わるものは何でしょう?バイナリーデータベースでは、アプリケーションのソースコードは”.4DB”と”.4DIndy”拡張子のファイルにありました。プロジェクトデータベースでは、ストラクチャに関係するフォルダやファイルはどこにあるのでしょう?
これらの疑問の答えは下記のビデオで見つかります:
4D v17 R5で新しいタイプの4Dデータベース:プロジェクト・データベースのベータテストを開始しました。4D v18では、プロジェクト・データベースが最終リリースになったことをお知らせします。今こそ軽い分散型フォーマットの多用途性と組み合わされた4Dの開発プラットフォームのパワーを活かす時です!
プロジェクト・データベースは、伝統的なバイナリー・フォーマットではなく、テキストベースのファイルを使って4D中で開発されます。プロジェクト・データベースを作成するには:
バイナリー・データベースをプロジェクトに変換するには、シンプルに”ファイル”→”書き出し”→”ストラクチャからプロジェクト”メニュー項目をクリックするだけです。
一度バイナリー・データベースの変換が完了すれば、その成功を知らせるメッセージが表示されます。4Dはまた、手を加える必要があるエラーが見つかった場合もお知らせします(例:すでにサポートされていない古いフォーム・オブジェクトがある)。
さらに詳しくはこのドキュメントを見てください。
以下のビデオでは、4D ウェブサイトからダウンロードできる”Contacts”データベースを変換しました。
“ファイル→書き出し→ストラクチャからプロジェクト”メニュー項目の使って、バイナリーストラクチャ・ファイル(.4DB)をprojectに変換します。4Dは交換の間にエラーが発生したことを知らせてくれます。ログファイルを開いたとき、データベースがハイライト・ボタンを使うことに気づきます。上記のように、プロジェクト・データベースでは、古いオブジェクトの中にはサポートしていないものもあります。
この場合、シンプルにボタン・タイプをハイライトから非表示に変更します。データベース中では、”ボタン”にイメージ、固定テキスト、ハイライト・ボタンを含む場合、これらの3つのオブジェクトを一つのオブジェクト:3Dボタンに置き換えることをアドバイスします。もしコンテキストに従ってランタイム時にボタンを表示あるいは非表示にする場合、コードの変更が必要です。
いくつかの修正後に、”Contacts”データベースは再度書き出されて、今回は成功しています。
今度はあなたが実行する番です!
このタイトルが既にヒントかもしれませんが、ワクワクするような新しい機能が4D v18で告知されました!
この機能はクライアント/サーバーの動作に新しい可能性を開くものです。カレントのデータベースに限定するのではなく、永続的なネットワーク接続を必要とするのもなく、4D v18のアプリケーションは4D Server上に公開された、別の、リモートの、4Dデータベースからデータを入手できます!
この機能のおかげで多くのオプションが可能になりました。例えば、オフラインで動き、リモートデータにアクセス可能な時にだけローカルデータを同期するアプリケーションを構成することができます。あるいは、複数のサーバーにデータを公開し、必要に応じて切り替えることも考えられます。別のオプションとしては、異なるデータベース(例:ローカルデータ、インターナショナルデータ)上にデータモデルを分割しすることも可能です。別の場所にデータを配信して一つの4Dクライアント・コード(プロジェクト・メソッドとフォームオブジェクト)を通じてアクセスできるようにするのはいかがでしょう?これらすべてのシナリオは実現可能で、このブログでその方法を説明します。
4D v18を使えば、他の4Dクライアントに対して、RESTサーバーとして公開できます。これは、4Dクライアントが公開したデータと相互通信(作成、読み込み、更新、削除)できることを意味します。さらに良いことに:この通信はORDAコンセプトをベースにしているので、完全にオブジェクト指向なのです!
データベース中のウェブ設定は:
設定タブで、HTTPポートを設定します。(セキュリティーのため、プロダクションモードではHTTPSを使うことを確認します!)
RESTリソース・タブ上で、「RESTサーバーとして公開」オプションを選択します。
注意:Webサーバーを使ってRESTサーバーへアクセスするには、Webサーバー・ライセンスは必要ありません。接続には標準の4Dクライアント・ライセンスが使われます。
前述のように、あなたのデータベースはORDAコンセプト経由で接続可能になります:データベースはdatastoreオブジェクトを使って操作されます。従って、最初のステップは、アクセスしたいリモートデータベースに関連したdatastoreオブジェクトを得ることです。問題ありません!Open datastoreコマンドで正確なホスト名を呼び出せば動きます。
datastoreオブジェクトをローカルID “students”に関連付けます。これでORDAを使ってリモートデータベースと作業(クエリーの起動、エンティティのロード/更新など)が出るようになります。
C_OBJECT($connectTo;$schoolDS;$s)
C_TEXT($dataClass)
//The database contains a Students data class
$dataClass;="Students"
$connectTo:=New object("hostname";"school.acme.com")
$schoolDS:=Open datastore($connectTo;"students") //local id of this remote datastore is "students"
//Start working with ORDA means
ALERT("They are "+String($schoolDS[$dataClass].all().length)+" students")
//Run an ORDA query on the Students dataclass
$s:=$schoolDS[$dataClass].query("lastname=:1";"Smith").first()
If ($s#Null)
ALERT("Student "+$s.lastname+" lives in "+$s.address.city)
End if
Open datastoreドキュメントをチェックして、安全な接続(TLS)でリモートデータベースにアクセスする方法を参照してください。
以下は、複数のリモートデータベースで動作させるのがいかに簡単かを説明した短い例です。二つのデータベースがあります:一つはフランス人の生徒が含まれていて、もう一つにはイギリス人の生徒が含まれています。
フランス人の生徒を見るか、イギリス人の生徒を見るか選択できます。
フォームメソッド:
Case of
:(FORM Event.code=On Load)
Form.frenchServer:="french.acme.com"
Form.englishServer:="english.acme.com"
End case
「フランス人の生徒を見る」ボタンの背後にあるオブジェクトメソッドです:
C_OBJECT($connectTo;$students)
$connectTo:=New object()
$connectTo.hostname:=Form.frenchServer
$students:=Open datastore($connectTo;"french") //datastore containing French students
Form.students:=$students.Students.all()
「イギリス人の生徒を見る」ボタンの背後にあるオブジェクトメソッドです:
C_OBJECT($connectTo;$students)
$connectTo:=New object()
$connectTo.hostname:=Form.englishServer
$students:=Open datastore($connectTo;"english") //datastore containing English students
Form.students:=$students.Students.all()
Open datastoreコマンドを最初に呼び出した時は、データストアオブジェクトはメモリーにロードされ、セッションはサーバーで開かれます。その後の呼び出しでは、このデータストアオブジェクトの参照を返すだけです。
公開したデータベースを安全に保つために、アクセスにフィルターをかけることができます。Open datastoreコマンドを別の面で見てみましょう。以下のようにユーザーとパスワードを渡すことができます。
C_OBJECT($connectTo;$myStudents)
ON ERR CALL("manageErrors")
$connectTo:=New object()
$connectTo.hostname:="students.acme.com"
$connectTo.user:="mary@4d.com"
$connectTo.password:=Form.password
//local id of this remote datastore is "students"
$myStudents:=Open datastore($connectTo;"students")
ON ERR CALL("")
</code>
4Dは二つの方法で権限のあるユーザーのアクセスを制限できます。
4Dユーザーグループを使ってアクセスを制限できます。データベースを公開した時に、Web設定ページのRESTリソース・タブでアクセスを許可するグループを選択します。
もしもOpen datastoreコマンドで与えられたユーザーが、選択されたグループに属している場合、アクセスは受け入れられますが、そうでない場合は承認エラーが生成されます。
また、新しいOn REST authenticationデータベース・メソッドを使って、公開したデータベースへの独自のアクセスコントロールをコード化することもできます。このメソッドは、Open datastoreコマンド中のユーザーの資格を受け取ります。もしユーザーがリモートデータベースでの作業を許されている場合はシンプルにTrueを返します。
下記はサンプルです:
C_TEXT($1;$name;$2;$password)
C_BOOLEAN($0;$result;$3;$digest)
C_OBJECT($user)
$name:=$1 // The user to provide in Open datastore command
$password:=$2 // The password to provide in Open datastore command
$digest:=$3 // True if password is hashed
$result:=False
//Search for the user in our Users dataclass
$user:=ds.Users.query("name=:1";$name).first()
If ($user#Null)
// Passwords are hashed in Users dataclass
If ($digest & ($user.password=$password))
$result:=True
End if
$0:=$result
注意:dsとdatastore.getInfo()コマンドは更新されて、新たに三つのメソッドが追加されました:datastore.startTransaction()、datastore.cancelTransaction()、datastore.validateTransaction()です。
では、HDI(例題)をダウンロードしてこの素晴らしい機能を学びましょう!
他の人とコラボレーションしながら作業するのは理想的な方法です。世界中のどこにいても、他の場所のチーム仲間と働くことができ、誰でもファイルやプロジェクトの最新バージョンを難なく見つけられます。全ファイルのバックアップを実行する代わりに、ロールバック元のリストア・ポイントを選択できるようにしながら、新しい機能をテストして、もしそれらが機能しなければロールバックする別の方法。そんな夢が現実になりつつあります。上記のシナリオは4D v18とプロジェクト・データベースによって可能となっています。
プロジェクト・データベースとはテキストベースのファイル中の4Dデータベースです。これらのファイルには、フォーム、メニュー、ユーザー設定と必要なリソース全てが含めた、データベース・ストラクチャからユーザーインターフェイスに至るまで、4Dデータベース・アプリケーションのソースコード全てが含まれます。
プロジェクト・データベースは4D Developerアプリケーションを使って作成、取り扱いをします。プロジェクト・ファイルはその後、最終的なアプリケーションの運用ファイルを構築するために使用されます。
このリストは表面的なものですが、これらの利点は全てプロジェクトデータベースのおかげです。
プロジェクト・データベースがもたらす全ての新しい機能と可能性は今後のブログで詳しく述べていきます。お楽しみに!