4Dアプリケーションは,必要時にライセンス情報を更新するため,ライセンスサーバー(autoregistration.4d.com)にアクセスします。また,4Dサーバーアプリケーションは,統計情報を収集するため,週に1
回,テレメトリサーバー(dcollector.4d.com)にアクセスします。統計情報の送信は任意ですが,ライセンス情報の更新がブロックされていると支障が生じることがあります。
運用中にライセンス情報を更新することにより,クライアント同時接続数などの追加ライセンスを有効化することができます。また,サブスクリプションであれば,新しいフィーチャーリリース(Rバージョン)が利用できるようになります。有効期限が設けられているライセンスの場合,有効期限の10
日前から起動時にライセンスが延長されていないかどうかをチェックします。ライセンス画面の「更新」ボタンをクリックすることにより,あるいはRefresh license
コマンドを実行することにより,任意のタイミングでライセンスサーバーをチェックすることができます。後者は,ヘッドレスモードで運用している場合,特に有用です。
上記のメカニズムにより,ライセンスサーバーにアクセスができるネットワーク設定であれば,サブスクリプション更新時にライセンスを再入力する必要はありません。
印刷コマンドでPDFまたはXPS形式のドキュメントを出力した場合,プリンターのように印刷ができない領域というものは存在しないため,SET PRINTABLE MARGIN
に-1
(プリンターのマージン)や0
(用紙マージン)の指定は無視されます。PDFまたはXPS形式のドキュメントがプリントプレビューとおなじようなレイアウトになることを望むのであれば,用紙およびプリンターを設定した後,GET PRINTABLE MARGIN
で理論マージンを取得し,SET PRINTABLE MARGIN
で出力に反映させる必要があります。
Microsoftの実装により,一部のAPIは,プリンター名の31
文字目以降を無視します。従来のバージョンでは,この仕様を看過していましたが,Windows 24H2で発生するようになった印刷の不具合を調査する過程でエラー処置が強化されたことにより,現行バージョンではカレントプリンターの名称が30
文字を超える場合に印刷コマンドが正しく完了できないことがあります。問題を防ぐため,プリンター名は30
文字以下に収まるように設定してください。
Windows版のMDIモードで最大化することができるのは,最前面ウィンドウだけです。最前面ではないウィンドウを最大化することはできません。これは仕様です。最前面であっても,フォームのサイズがプロパティで制限されているために最大化できない場合,そのウィンドウは最大化モードが解除された状態で表示されます。
アプリケーションをコンパイルせず,プリエンプティブモードのプロセスやワーカーを活用しなかった場合,すべてのメソッドは原則的にメインアプリケーションのコオペラティブスレッドで実行されます。つまり,複数のスレッドで同時に複数のプロセスが実行されるのではなく,メインアプリケーションのコオペラティブスレッドで少しずつ順番に実行されることになります。
コオペラティブモードでは,特定のプロセスが長時間にわたってCPUを独占するようなことを避け,プロセス同士でCPUを譲り合うことが重要です。たとえば,ループ処理中にDELAY PROCESS
を呼び出すことができます。DELAY PROCESS
が呼び出されると,一旦,スケジューラーに制御が返され,順番を待っている他のプロセスにメソッドを実行する機会が与えられます。プロセスを遅延することは望まず,単純に「息継ぎ」をしたい場合には,遅延時間に0
を指定します。遅延時間に0
を指定した場合であっても,必ずスケジューラーに制御返されるからです。
最近,新しいデータベースパラメーターUncooperative process threshold (132)
が追加されました。このパラメーターはメインアプリケーションのコオペラティブスレッドを「独占」しているプロセスを特定するのに役立ちます。閾値(デフォルトは500
㍉秒)を超えてプロセスがCPUを独占した場合,
Cooperative process doesn't yield enough
という警告が診断ログに出力されます。閾値はカスタマイズすることができます。また,このメッセージはエラーではなく警告なので,データベースパラメーターDiagnostic log level (86)
でログレベルを「エラー」に設定することにより,抑制することができます。