v19では,WA SET PREFERENCEの定数_o_WA enable JavaScriptが廃止され,WebエリアのJavaScriptを無効にすることはできないように仕様が変更されました。
以前のバージョンでは,システム版のWebエリアであれば,コマンドでWebエリアのJavaScriptを無効にすることができました。CEF版のWebエリアは,常にJavaScriptが有効でした。
v19では,macOS Big Surに対応するため,システム版のWebエリアがmacOS 10.10のWKWebViewにアップデートされました。WA Get page contentに相当するシステムAPIが存在しないため,内部的にJavaScriptが使用されるようになりました。また,フォントサイズを増減するシステムAPIは,Big Sur以降でなければ使用できないため,Catalina以前では内部的にJavaScriptが使用されています。いずれにしても,WKWebViewをインスタンス化した後に当該設定を変更することはできないため,下記のオプションは廃止されました。
幅が32000
を超えるリストフォームをエディターで開いた場合,水平スクロールバーが表示されないことがあります。これは仕様です。以前のバージョンでは,内部的に符号付き16
ビット整数が使用されていたため,フォームウィザードを使用して作成したフォームのオブジェクト座標はオーバーフローしていることがあります。そのようなフォームを現バージョンのエディターで表示した場合,正常にスクロールすることができません。多数のフィールドをリスト形式で表示したい場合,リストフォームではなく,リストボックスを使用することが勧められています。
v19では,より詳細な診断ができるようにネットワーク診断ログの精度が引き上げられました。そのため,ネットワーク診断ログにはDoReadExactly
というレポートが毎回のように書き込まれることがあります。ソケットを閉じたタイミング,あるいは他の理由でソケットのリードに失敗することは,必ずしも異常なことではありません。
ネットワーク診断ログ(データベースパラメーター79
のDiagnostic log recording
)は,ネットワーク関連の問題を調査することに限定して使用するべきです。早期に問題を発見するため,常時,診断ログを有効にすることは勧められていない点に留意してください。
リストボックスのフッターを「カスタム(自動しない)」モードで使用する場合,データソースは変数である必要があります。Form.value
のようなオブジェクト型プロパティは,変数ではなく,数式なので,フッター(あるいはヘッダー)には使用できません。これは仕様です。この点はドキュメントに記載されています。
Mac版v19デスクトップ・クライアント・サーバーランタイムは,すべてUniversal 2アプリです。Intelターゲットに限定してコンパイルを実行しても,アプリにはApple Siliconの実行ファイルが含まれているため,M1マシンでは「Rosettaで開く」オプションを明示的に選択する必要があります。このオプションは,Finderの「情報を見る」画面で操作することができます。
「Rosettaで開く」オプションは,マシン毎の設定(Launch Services)であることに留意してください。開発者のMacでFinderの「情報を見る」画面を開き,「Rosettaで開く」オプションを有効にしたアプリを配付しても,ユーザーのMacには影響しません。
プラグインやコンポーネントがApple Siliconに対応していないなどの理由により,「Rosettaで開く」オプションが必須なのであれば,Finderの「情報を見る」画面ではなく,Info.plist
ファイルでIntelアーキテクチャが優先されるように設定することを検討してください。
<key>LSArchitecturePriority</key>
<array>
<!-- architecture order of execution for universal binary 2 -->
<string>x86_64</string>
<string>arm64</string>
</array>
Gmailの設定「メール転送とPOP/IMAP」には,「POP でメールにアクセスする場合」という項目があり,下記のオプションから動作を選択できるようになっています。
「削除する」または「アーカイブする」が選択されている場合,POP3で受信したメッセージは(明示的な削除命令を発行しなくても)受信トレイから取り除かれます。その他のオプションが選択されている場合でも,すでにダウンロードしたメッセージは受信できないようになっています。
POP を使用して他のメール クライアントで Gmail のメールを読む
POP3クライアントでダウンロードしたメッセージにPOP3クライアントで何度もアクセスしたいのであれば,アドレスに接頭辞recent:
を追加し,recent modeでGmailにアクセスすることができます。その場合,すでにPOP3でダウンロードしたメッセージであっても,過去30日分のメールは繰り返し受信できるようになります。
ドキュメントには,BLOBの最大サイズが2,147,483,647
バイト(2GiB)であると述べられています。Windowsの場合,空きメモリが充分であれば,そのようなBLOBを作成することができます。しかし,macOSの場合,そこまでおおきなBLOBを作成することはできません。これはプラットフォームの制限であり,仕様です(NewHandle)。SET BLOB SIZE
で検証すると,macOSにおけるBLOBの最大サイズは,空きメモリが充分であっても,1,073,741,823
バイト(1GiB-1)であることがわかります。