整数の11
に実数の1.5
を加算した値は,何でしょうか。
$Int:=11
$Real:=1.5
$Int:=$Int+$Real
上記の演算は,32ビット版では13
(12.5
を切り上げた値),64ビット版では12
(12.5
を切り下げた値)となります。これは仕様です。
64ビット版の4Dでは,インタープリターモードとコンパイルモードの動きを揃えるため,インタープリターモードであっても,Intel CPUの「丸め」処理(最近接偶数丸め)で「丸め」処理が実行されるようになっています。一方,32ビット版は,従来どおり,「四捨五入」処理が実行されるため,演算結果に違いがあります。
Windows版でフォームオブジェクトを同一メソッド内で非表示に設定し,移動してから非表示を解除した場合,画面上ではオブジェクトが以前の位置と新しい位置の両方に表示されます。これはAPIの特性に由来する振る舞いであり,現状では仕様です。オブジェクトの「増殖」を防止するためには,下記のようなコードを避けてくだだい。
OBJECT SET VISIBLE (*;"object";False)
OBJECT SET COORDINATES*;"object";$left;$top;$right;$bottom)
OBJECT SET VISIBLE (*;"object";True)
4D Write ProのHTMLパーサーは,XHTML(XML形式のHTML)をインポートするように設計されています。正しくないXMLのインポートは失敗するかもしれません。たとえば,アンパーサンド記号(”&”)は&
のようにエスケープされている必要があります。WP New
で初期化するテキストは,標準テキストや不完全なHTMLコードの断片ではなく,XHTMLであるべきです。
タグが省略された標準テキストは,まずHTMLとして整形され(この時点で&
は&
になります),その後,XMLとして解析されるので,エラーになります。アンパーサンド記号(”&”)のようにエスケープが必要な文字が含まれるテキストを4D Write Proでインポートする場合,文字がエスケープされた標準テキストをWP New
に処理させようとするのではなく,文字がエスケープされていない標準テキストをWP SET TEXT
で処理するようにしてください。
v2004では,Windows版に限り,標準テキスト内のHTMLハイパーリンクがアンダーラインで装飾され,クリック操作でURLにジャンプすることができました。4Dのテキスト入力エリアがリッチテキスト入力オブジェクトで実装されていたためです。現行バージョンでは,テキスト入力オブジェクトの「マルチスタイル」プロパティが有効にされていない場合,HTMLハイパーリンクは標準テキストとしてレンダリングされます。これは仕様です。
Mac 64ビット版では,出力フォームをスクロールすると,On Header
イベントが1度ではなく,何度かコールされることがあります。これは仕様です。Mac 64ビット版(Cocoa)のグラフィック描画は最適化されており,フォームは部分的に再描画されないようになっています。
参考: v16でACI0098508が修正されるまで,300個のオブジェクトが配置されたリストフォームのスクロールおよび行の選択の反応は堪えられないほどに遅いものでした。更新のたびにフォーム全体が更新されないよう,グラフィック描画が最適化されたことにより,そのようなデザインのリストフォームでも軽快に動作するようになりました。
リストフォームが更新されると,On Header
イベントが発生します。イベントが発生したことにより,再度,リストが更新された場合,再度,On Header
イベントが発生しますが,今度はリストが更新されないかもしれず,そうであれば,そのタイミングではOn Header
イベントが発生しません。リストフォームをスクロールした場合,スクロールした行数とOn Header
イベントの回数は対応しないことがあります。言い換えるならば,On Header
イベントが余分に発生しているのではなく,フォームが再描画される回数が減っているため,スクロール中はイベントがまとめて発生したり,逆に発生しなかったりするようになった,ということです。