ORDAのentity.clone()
メソッドは,データベースに保存されているエンティティに対して使用されることが想定されています。クライアント/サーバー版であれば,未保存であっても,entity.clone()
でエンティティがクローンできるかもしれませんが,スタンドアロン版で同じことをした場合,プライマリーキーの値がコピーされないので,問題になります。この点は,ドキュメントに説明されています。
Date
を使用すれば,協定標準時(UTC)の文字列をローカル時間に変換することができます。コンピューターのタイムゾーンがパリ(フランス)に設定されている場合,WindowsとMacでは,違う日付が返されることがあります。これは仕様です。
パリ時間がサマータイムに移行する日時は,毎年,変わります。また,1900-1910年の期間は,ずっとUTC+0:09:21
でした。Macは,この歴史的な事実を踏まえ,正確にUTCをローカル時間に変換します。間違っているのは,Windowsのほうです。
ネットワーク上で同じ公開名のサーバーアプリケーションが動いている場合,デザインモードの「アプリケーションビルド」画面で設定したプロジェクトでビルドされたクライアントアプリケーションは,自動アップグレード後に別のサーバーアプリケーションに接続してしまうかもしれません。これは仕様です。
ビルドプロジェクトには,サーバーのアドレスIPAddress
を含めることができますが,デザインモードの「アプリケーションビルド」画面には,これを入力する場所がないため,この値は空となります。
サーバーのアドレスが設定されていない場合,クライアントアプリケーションは,ネットワークにブロードキャストされている公開名でサーバーを探すため,ネットワーク上で同じ公開名のサーバーアプリケーションが動いている場合,別のサーバーアプリケーションに接続してしまう可能性があります。これが問題になるようであれば,ビルドプロジェクトにサーバーのアドレスを含めるようにしてください。
スプレッドシートを.pdf
形式でエクスポートした場合,フォントが変わってしまうことがあります。これは仕様です。VP EXPORT DOCUMENT
はSpreadJSの標準モジュールを使用してドキュメントをPDFに変換します。バージョン12でサポートされているのは,下記14種類のフォントです。
フォントファミリー | フォント |
---|---|
Courier | Courier |
Courier-Bold | |
Courier-Oblique | |
Courier-BoldOblique | |
Times | Times-Roman |
Times-Bold | |
Times-Italic | |
Times-BoldItalic | |
Helvetica | Helvetica |
Helvetica-Bold | |
Helvetica-Oblique | |
Helvetica-BoldOblique | |
Symbol | Symbol |
ZapfDingbats | ZapfDingbats |
コレクション型のリストボックスは,要素がオブジェクト型ではなくスカラー値(テキスト・数値・ブールなど)だった場合,This.value
という特殊な表記で値を表示することができます。This.value
は値のコピーであるため,新しい値を代入しても,元のコレクション要素を更新することにはなりません。これは仕様です。リストボックスに表示されたコレクションの要素を更新するのであれば,スカラー値ではなく,オブジェクト型のコレクションを使用してください。
Macプラットフォームでは「システム環境設定 > キーボード > ショートカット」でシステム全体またはアプリケーション毎のカスタムキーボードショートカットを設定することができます。
システム環境設定で追加したショートカットは,項目名が合致する4Dのメニューに関連付けられます。4Dの場合,32ビット版では,アプリケーションが最前面であればカスタムキーボードショートカットが入力できますが,64ビット版では,メニューをクリックした後でなければ,カスタムキーボードショートカットが入力できません。これは仕様です。
回避策: カスタムキーボードショートカット設定は,下記のファイルに登録されています。この設定を優先したいのであれば,ファイルを参照し,必要に応じて4D側のキーボードショートカット設定を調整してください( SET MENU ITEM SHORTCUT
)。
~/Library/Preferences/com.myapp.*
17r6では,メソッドのコールスタック(呼び出し連鎖)を取得するためのコマンドが追加されたことに伴い,コンパイルモードの内部ランタイムバージョンがインクリメントされました。17r6でコンパイルしたコードは,新コマンドを使用していなかったとしても,17.xや17r5で実行することができません(「再コンパイルが必要」というエラーメッセージが表示されます)。17r5以前でコンパイルしたコードを17r6で実行することは問題ありません。
オブジェクト型のプロパティには,テキスト型あるいは日付型で日付がセットできるので,v17では,Date
のシンタックスが緩和され,テキスト型の代わりに日付型が渡されても,シンタックスエラー(59
)が返されないようになりました。