Write Proエリアのツールバーウィジェット(WP_Toolbar
)は,内部的にOBJECT Get pointer
でサブフォームコンテナのバインド変数を参照しているため,サブフォームのデータソースに変数ではなくオブジェクトのプロパティ(例:Form.wp
)が設定されている場合,ポインターの逆参照に失敗し,初期化を正常に完了することができません。Write Proエリアには,変数(例:wpArea
)を使用する必要があります。これは仕様です。
ORDAにおける楽観的レコードロックは,内部的なスタンプに支えられていますが,トランザクション中に作成されたエンティティのインスタンスは,すべて同一のレコードからコピーされるので,スタンプの比較による排他制御は意味をなしません。
トランザクション中でなければ,dataClass.get()
のようなコマンドで同一レコードから複数のエンティティを作成した場合,一方をentity.save()
した後に他方をentity.save()
しようとすると「スタンプが変更されたので保存できない」というエラーが返されますが,トランザクション中であれば,同じことをしてもエラーが返されずに両方のエンティティが保存できます。これは仕様です。
18r4以降,ODBCドライバーのインストール中にシステムエラー126
が返されるかもしれません。エラーの内容は「4DODBC.dllがみつかりません」というものです。そのような場合,Visual Studio 2019の再配布パッケージ(vcredist
)をインストールしてみてください。
プロジェクトモードで作成したリストボックスは,デフォルトでカラム自動リサイズが有効にされており,カラムの最小幅は0
,最大幅は32767
となっています。そのため,リストボックスを水平方向に限界まで縮小してから拡大した場合,1個を残してカラムが表示されなくなるかもしれません。カラム自動リサイズが機能するためには,リストボックス特有のプロパティが適正にセットされている必要があります。
プロジェクトモードで作成したフォームのマーカー位置は,バイナリモードの場合とは違い,デフォルトですべて0
となっています。Print form
でフォームをそのまま印刷した場合,白紙のページが出力されるのはそのためです。
POP3 Transporter
またはIMAP Transporter
を使用してメールを受信する場合,結果はサーバー設定に左右されることに注意する必要があります。
たとえば,Microsoft Exchangeのサーバー設定でメッセージ取得形式がTextOnly
に設定されている場合,HTMLメールをトランスポーターまたはInternet Commandsの同等コマンドで取得することはできません。この設定は,モバイル機器などで使用されているExchange ActiveSyncとは別です。
Windows版のPLAY
コマンドはMCIというAPIを内部的に使用しているため,新しいオーディオコーデックを再生することができません。.wav
ファイルには,さまざまなフォーマットがあり,PLAY
コマンドで再生できない場合があります。再生できない場合,オーディオファイル変換ツールなどで.wav
ファイルを再エンコーディングする必要があるかもしれません。
CEF版のWebエリアは,著作権保護のため,オーディオ/ビデオの再生コーデックがサポートされていません。プレーヤーを表示するのであれば,システム版のWebエリアを検討してください。
IMAPのDELETE
コマンドを[Gmail]/All Mail
メールボックスに送信することはできません。このメールボックスには実体がないためです。DELETE
コマンドはINBOX
のようなメールボックスに送信するようにしてください。
[Gmail]/All Mail
メールボックスに対してCOPY
コマンドを実行することはできますが,注意が必要です。サーバーが内部的にEXPUNGE
を実行するため,結果的にMOVE
を実行したような状態になります。COPY
コマンドはINBOX
のようなメールボックスに対して実行するべきです。
RFC3501によれば,IMAPのSTORE \Deleted
は後にEXPUNGE
コマンドを実行したとき(あるいは接続を閉じた時)にメッセージを削除するよう,マークする働きがあります。メールボックスを移動したときにメッセージが削除されるわけではありません。
追記: ビルド262238
以降,メールボックスを移動したときには,自動的にEXPUNGE
コマンドが追加されるようになりました。(ACI0101704)